ジジェク

さらに、寄り道を延長

最近のマスメディアやら、評論家を横目にしてちょっとハードでしたが読了。

メモ:

資本主義的のパラドクス……実体経済という赤ん坊を健やかに育てながら、金融投機という汚水は捨てられないことにあるのだ。

マドフ事件:メカニズムを動かしつづける循環の軌道を広げようとする圧力、システム内部の駆動力。
合法と非合法の現実的な境目はない。

ポストイデオロギー? 現実の世界での「人間化」のプロセス
「自分の物語を語る」基本集団による偽りの「人間化」問題に対する考察を……共同体の土台をなす象徴的構造へと、臆せず広げて見るべきだ。
アイデンティティー・ポリティクス: 「私的」アイデンティティーを受容し混交することが目標とされ、あらゆる普遍性……は抑圧的なものとして排斥されてしまう。
これに対しパウロ的な普遍性は、格闘の一形態である。

理論物理学者の玄関に打ち付けられた馬蹄の邪気祓: 「たとえ信じていなくても効果があると聞いたから、こうしているんだ」これこそ今日のイデオロギーの機能のありようである。

今日の「非抑圧的な」快楽主義……の超自我性は、許された享楽がいかんせん義務的な享楽に転じるところにある。1968年……の潜在力が、枯渇したときだ。
「……私たちは自由であるかのように生きることを強いられている*1」。

解放の主張が原理主義ピュリスムへ反転する現象はどう理解していいのか。問題は……単純すぎるリベラルの普遍主義が、とうの昔に純粋さを失っていることだ……。リベラリズムはその概念からして「寄生的」……発展過程で自らが損なう共同体の価値体系に依存しているのだ*2

新しい資本主義がかつてない多数の労働者を不要にするなか、このグローバル資本主義の「生ける屍」を再統合する企て……とは……

と語っている。

*1:モティベーションが保てないと言いまくる若者!

*2:日本のリベラルの思想的?弱さもおなじか